まず着用場面と改善したい感覚を決め、生地の空気透過性、液体の水の吸収・移動、水蒸気透過、乾燥の各特性と、完成品の着用観察を別々に比較します。サンプルの準備状態をそろえ、方法と単位を明示し、各指標の元の報告書を保管します。空気透過性の数値が高くても、汗をより早く吸う、より早く乾く、または誰にとっても快適だとは限りません。薄さや低い目付だけでも、それらの結果は証明できません。
このガイドは、薄手のニットプルオーバーやニットポロシャツのサンプルを比較するブランドのバイヤー、開発・品質担当者向けです。ここでいう「通気性」はバイヤーが広く使う言葉であり、あらゆる感覚を表せる単一の試験指標ではありません。着用結果には、デザインのゆとり、インナー、活動、環境、個人の好みも影響します。以下は後から確認できる案件判断を助ける方法であり、特定の繊維、編地、製品の性能を保証するものではありません。
まず使用上の課題を明確にする
対象のデザインと季節、使用環境、活動の種類と時間、重ね着の有無を書き出します。改善したいのは蒸れ、肌の湿りやべたつき、衣服の乾きの遅さ、あるいは別の感覚なのかも明記します。これらは検証すべき目標であり、宣伝文句をそのまま試験結果として扱わないでください。サンプル番号、糸の組成と仕様、編地、色、仕上げ、生地の目付、サンプルのサイズと型を記録します。異なるデザインを比べる場合は、その違いが着用結果に影響しうることも記載します。
優先順位とトレードオフを決めます。たとえば、風通しのよい見た目にするために透け感が増してもよいのか、カバー性と手触りも両立させたいのかを検討します。最終製品に近い参考サンプルを指定し、現物を保管します。部分的な編地しかない場合、結果は試験した編地のみを表すと明記します。縫い目、襟ぐり、型、重ね着などの製品要因は完成サンプルで判断する必要があります。生地の目付と衣服全体の重量は異なる量です。生地の目付と製品重量のガイドも参照してください。
問いごとに必要な証拠を分ける
| 知りたいこと | 求められる証拠 | それだけでは判断できないこと |
|---|---|---|
| 生地を空気が通ること | 空気透過性の方法、条件、単位、結果 | 発汗時の水分移動、乾燥速度、衣服全体の快適さ |
| 液体の水の接触と移動 | 吸水または液体水分管理の方法、試験面、結果 | 水蒸気の移動、自然乾燥時間、着用感のすべて |
| 水蒸気の移動 | 適用する方法、条件、単位、結果 | 空気の流れ、液体の汗の移動、あらゆる環境での性能 |
| 乾燥 | 乾燥方法、初期状態、環境、結果 | 着用者の発汗量や実際の着用時に必ず必要となる乾燥時間 |
| 着用体験 | 完成サンプル、場面、試着者、動作、感覚の記録 | 実験室の数値や全員に当てはまる保証 |
ISO 9237は、ほとんどの生地に適用できる空気透過性の測定方法を説明しています。バイヤーと試験所は方法と具体的な条件を事前に確認してください。方法、圧力差、試験面積、単位、サンプルの状態が異なる数値は、比較可能か確認せずに順位付けできません。異なる方法の結果を自動的に互換と見なすこともできません。
TM195を引用するAATCCの2021年の過去の用語集は、繊維生地の液体水分の吸収や移動に関する指標を定義し、その出典としてTM195を挙げています。TM195は空気透過性の試験ではありません。同じ用語集は、乾燥時間、乾燥速度、水蒸気透過の定義にそれぞれ異なる方法を出典として挙げています。サンプルと検討課題に適した方法および現行版を試験所に確認し、異なる試験名や結果を一つの「通気性スコア」にまとめないでください。各方法にはそれぞれ規定があり、用語集自体はこの注文の合格限界を定めていません。
比較可能なサンプルと試験を計画する
まず、生地を比較するのか完成品を比較するのかを確認します。各候補から、予定する糸、編地、色、仕上げ状態を代表するサンプルを入手し、ロットと採取箇所を記録します。試験前の洗濯・手入れの有無、洗濯・手入れ・乾燥の方法、状態調節、試験所の受領時の状態を取り決めます。元の状態と手入れ後のサンプルは別番号にし、同じ状態として扱いません。試験数、方法の版、試験面、条件、単位、報告項目を試験所と合意し、必要なら同じ試験所に同一計画で処理してもらいます。状態調節の記録にはニット物理試験の状態調節ガイドも役立ちます。
目標、閾値、許容差、判断者を試験依頼書と調達資料に記し、用途と方法に適しているか確認します。双方が合意した限界値がなければ、測定結果を説明することはできますが、独断で「合格」とは言えません。各サンプルの番号、条件、結果、単位、逸脱、試験所の説明を報告書に残します。二つの結果が近い場合は採取方法、試験方法、報告書を先に確認し、結果の差と必要な追加証拠を試験所と相談します。小さな差を、すべての着用者が感じ取れる差と決めつけないでください。試験限界に近い結果の調達判断も参照できます。
仮にサンプル甲と乙を、合意した同じ空気透過性の方法と状態で測定し、甲の結果が高かったとします。別に同条件で乾燥を比較すると、乙が合意した終点に早く達しました。これは二つの比較で順位が異なる可能性を示すだけで、どの場面でも甲または乙がより快適だという意味ではありません。それぞれのデータ、単位、条件を確認し、対象者の実際の着用観察や他の要件と併せて選択します。この仮定から、測定していない吸水や水蒸気の結果を推測しないでください。
完成サンプルの着用観察で補う
目標サイズに合う試着者を選び、サンプルと仕様の版、インナー、環境、活動、時間を記録します。各試着者に合意した計画で候補を着てもらい、蒸れ、湿り、接触感、動きが制限される箇所を記録し、比較可能な条件で比べます。試着人数と観察の限界を示してください。人や環境が変われば感じ方も変わりえます。不快なときは着用を中止します。試着は案件内の観察であり、標準的な実験室の結果ではありません。正式な試験の代わりにも、全員が同じ感覚を得る証明にもなりません。
糸、編地、色、仕上げ、型、インナー、洗濯・手入れの条件を変えたら、どの試験と試着をやり直すか評価します。承認した現物、試験報告書、サンプルの版で承認範囲を限定します。透け感、手触り、耐久性、手入れの要件も判断に影響しますが、それぞれ別に評価する必要があり、通気性試験の結果から自動的に確認することはできません。
お問い合わせ時に必要な情報
WTBFお問い合わせページから、デザイン画、用途と環境、改善したい具体的な感覚、候補サンプルまたは糸と編地の方針、サイズとインナー、比較する指標と方法、手入れと目標とする受入条件をお送りください。各型・各色の予定数量、販売市場、納品先、希望倉庫到着日、既存の試験報告書も添えます。提供可能なサンプル、試験の手配、費用、日程を案件ごとにサプライヤーへ確認してください。希望到着日は約束された納期ではなく、WTBFが関連試験をすでに実施したことや認証を取得していることも意味しません。
