まず供給者と検査担当者の間で、検査対象ロット、成衣一枚を一検査単位とするか、検査項目と不適合の判定を明確にします。そのうえで該当ロットに適用できる抜取方式を選び、サンプル数、抽出方法、受入れ・不受入れの判定、例外の扱いを記録します。AQLは「各ロットでその数の不良品が許される」という意味ではありません。抜取で受け入れても全ロットに欠点がないことや全安全要件の充足は証明されません。出荷の承認は注文要件に従って別途確認します。
本ガイドは買い手が検査の合意を準備するためのもので、全注文に適したAQL値や規格表の代用を提供しません。実際の方式は適用規格、ロット状況、双方の合意に基づき、有資格の検査・品質担当者が決定します。製品安全、法規、特定の性能試験、契約要件は別々に確認します。
ロットとAQLの限界を理解する
米国品質協会の用語集は受入抜取検査を、ロットの一部を調べてそのロットを受け入れるか決めることと説明しています。AQLの説明は連続ロットの抜取における満足できる工程平均の限界に関係します。これは一つのロットの実際の不適合率が一定割合まで許される保証でも、サンプル中に見つかってよい不適合数でもありません。担当者は完全な規格に基づいて方式を選び、注文書に「AQL」と書くだけで共通理解があると仮定しません。
ISO 2859-1:2026の公開ページは、合格品質限界で索引付けしたロットごとの計数抜取方式と切替規則を紹介し、連続して提出されるロットを対象とします。一方、ISO 2859-2:2020の公開適用範囲は、切替規則が適用されない孤立ロットや短い系列向けの、限界品質(LQ)で索引付けした別の方式を説明します。注文が一ロットか連続ロットかを示し、適用範囲、規格版、完全な規則を検査担当者に決めてもらいます。両方式をそのまま取り替えないでください。本ガイドは規格表を転載せず、WTBFが特定規格を実施したとも主張しません。
抜き取る品物と記録単位を定める
発注書、型、色、サイズ、生産ロット、梱包状態、場所、検査可能数量を明記します。どの品物が一つの受入ロットを構成し、異なる型・色、サイズ、生産ロットをまとめるかを検査担当者に確認します。注文総数が必ず一つの受入ロットとは限りません。未完成品や抽出できない品を列挙し、未提出分を検査済み範囲に入れないようにします。梱包明細に照らして箱番号と数量を記録し、提出された全品に抽出の機会をどう確保するか事前に合意します。
数え方も決めます。例えば一枚のセーターに縫いほつれと汚れが同時にある場合、不適合成衣一枚であると同時に不適合項目二件として記録できます。両者は同じ数ではありません。今回の方式で使う単位、欠点分類、判定規則、同一品の複数項目の記録法を確認し、検査担当者に対応する数え方と判定を確認してもらいます。検査済み枚数、影響を受けた成衣数、欠点の発生件数は別々に表示し、混同しません。
| 決定 | 合意・記録する内容 | 必要な理由 |
|---|---|---|
| 受入ロット | 注文、型・色・サイズ、生産ロット、場所、提出数量、除外範囲 | 結果が対象とする品物の明確化 |
| 検査単位 | 成衣または他の合意単位、不適合成衣と欠点件数の数え方 | 異なる二つの数の混同防止 |
| 抜取方式 | 適用規格と版、ロット状況、該当する検査水準などのパラメータ、サンプル数、受入れ・不受入れの規則 | 判断根拠を双方が確認できるようにする |
| 抽出と検査 | 選択方法、箱番号、数量、検査項目、基準見本、測定条件 | 実際に何を検査したか記録する |
| 結果と処置 | 検査済み・未検査数量、問題、判定、停止や再検査の責任 | 未決定品の誤出荷を防ぐ |
方式と実際の検査を一致させる
検査前に抽出者、方式に沿う選択方法、アクセスできない箱や品物の有無、各検査項目の割当て、保存する番号と写真を確認します。供給者が見た目のよい数枚だけを選び、それを無作為抽出と呼んではいけません。現場で合意方法による抽出ができない場合は制約を記録し、変更または再手配を担当者に判断してもらいます。元の方式の結論を黙って流用してはいけません。
外観、寸法、ラベル、梱包などの合意項目を、対応する承認見本、版、測定条件に結び付けます。数量確認、着用評価、ケア性能、安全試験には異なる方法や試料を使う場合があり、一回の外観抜取ですべてをカバーすると仮定できません。検査報告書には実際の項目、サンプル、観察結果、欠点分類、合意規則に基づく判断を記載します。生産ロットからの成衣選択の承認は生産サンプルガイドを参照できます。生産サンプルの承認と最終受入抜取は別の決定です。
サンプル結果を全ロットの保証にしない
双方が独自に合意した説明専用の一回抜取方式として、20枚を抽出し不適合成衣を単位で数えると仮定します。1枚以下ならこの方式で受け入れ、2枚以上なら受け入れないと合意しています。そのうち1枚に縫いほつれと汚れが同時にあれば、この仮定では不適合成衣1枚と数え、欠点2件を別に記録します。この方式では受入れを決定できますが、抽出されなかった品に問題がないとは言えず、1 ÷ 20だけで全ロットの不適合率を正確に推定することもできません。この例はISO表、推奨計画、WTBFの検査記録、合格限界値ではありません。
抜取には判定リスクがあります。ある品質水準に合うロットが受け入れられないことも、より悪いロットが受け入れられることもあります。方式により不受入れとなったロットを、処置の合意なく直接合格に変更したり無制限に再抽出したりせず、双方と検査担当者が適用規則に従って再確認、選別、修正、再提出、費用負担を決めます。抜取で受け入れても発見された不適合品や未解決の安全・仕様問題は合意に従って扱い、法的義務の免除とはみなしません。
検査結果と出荷判断を分ける
検査日、場所、ロット構成、提出・抽出数量、選択方法、規格版、方式パラメータ、検査項目、結果、写真、未検査項目、決定者を保管します。対象の型・色・サイズと数量、評価待ち品、抜取の制約を明記します。買い手は契約、梱包・配送資料、その他必要な試験も確認し、権限者が該当範囲の出荷を判断します。
倉庫到着後に問題が見つかった場合は、検査済み・未検査数量を別々に記録し、証拠を保管して供給者と処置を合意します。入荷時の品質問題ガイドはその後の流れを扱います。抜取報告書は記録の一つになりえますが、実際の問題の調査と判断には代わりません。
問い合わせに必要な情報
ニット衣料製品群を参照し、お問い合わせページから型と承認済み仕様、サイズ範囲と型ごと・色ごとの予定数量、予定検査場所、販売市場、受取先、希望到着日を送ります。想定ロット区分、検査項目、第三者検査の要否、適用規格または顧客要件、今後合意する出荷可否の規則を示します。サンプル、検査協力、費用、日程をプロジェクトごとに供給者に確認します。
